嵯峨の秋

箏曲で「嵯峨の秋」というお気に入りの曲があります

平家物語の巻六の小督の局の話が素材になっています

さらでだに

ものの淋しき名にたてる

嵯峨のあたりの秋の頃

月も隈なき柴の戸に

忍びてもらす箏の音は

峯の嵐か松風か

尋ぬる人のすさびかや

駒を早めてきく時は

爪音しるき想夫恋

この季節になると、ついつい歩いている時も自転車に乗っている時も?口ずさんでしまうこの歌

とても美しい曲です

嵯峨が秋に入り一層淋しさが深まって来た

嵯峨野の奥に身を隠した小督の居場所を突き止めるため、

高倉天皇の命で仲国が探しにやってくる

峯の嵐の音か、松風の音か?

何処からか聞こえてくる箏の音が、箏の名手の小督の居所を明らかにした

駒の足を速める仲国

あの曲は想夫恋

この時小督は尼になるために大原に移る前日であった

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さて今日から娘の秋休みが始まりました

娘が夢を見たというので聞いてみたら、

木造りの電車に乗ったとのこと

イス席も木製、フロアーも木

電車は赤がアクセントで、窓から見える森は紅葉がとても綺麗だったというのです

娘は、これは正夢かも!とトロッコに乗りに行きたいと言い始めました

娘と過ごせるのは秋休み中ほとんどこの日だけだったので、

急遽初めて嵯峨にトロッコに乗りに行きました!

紅葉までは行きませんでしたが、娘の夢で見た電車の様子となかなか似ていました

びっくりしたのは、「嵯峨の秋」の”ただでさえ、もの淋しき嵯峨野の秋の頃…”に似ても似つかぬ大勢の観光客による賑わいでした… !

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小督の霊?もびっくりしているかもしれません

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お茶 研究会

今日は先生の八畳の新しいお茶室にお教室が移る前の、最後のお稽古がありました

七事式の且座が本日の研究会のテーマ

先輩方と、とても貴重なお稽古をご一緒させていただき、始終ありがたい気持ちで一杯でした

10年間お稽古の場として使われ続けた思い出の沢山詰まった六畳のお茶室

そこに6名集まりました

お二人が香元をされました

私は今回半東を勉強させていただきました

足捌きがいつもと違いややこしいですが、適度の緊張感と楽しさがあります

花台、炭、香、濃茶、薄茶の役割をそれぞれが分担し、流れるように(なっていると理想ですが)お稽古が進みます

お稽古が始まって3時間後、茶室外で先生みなさまと深々とご挨拶して終了

こんなに一座建立という言葉を噛み締めたお稽古は初めてで、こみ上げて来るものがありました

涙をためていらっしゃる方も幾人かいらっしゃいました

この式法を制定した7代如心斎を理屈抜きにすごい…!と思いました

そして、今の先生の、常に穏やかで謙虚な佇まいに一層尊敬と感謝の気持ちが深まりました

10年先20年先も今日の気持ちを忘れずに精進して行けたらと思いました

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今日の着物

母が以前用意してくれた、下ろしたての帯締と同系色の帯揚で

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にっぽん文楽 in 難波宮 終わりました

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もっと定期的に開催されれば…と淋しさを感じたほど楽しかったにっぽん文楽

まだ一度もご覧になっていない方は次回の公演がお勧めです

年に二度、東京と大阪で公演があるそうです

来年は伊勢でも公演が開催されるかもと聞きました

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組み立て式移動文楽舞台

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公演後アップで撮影した舞台の細部

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外からの様子

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舞台設計の田野倉氏

後から登場された宮大工棟梁と御弟子さんとのコラボトークも、とても心温まりました

この舞台作成の舞台裏?を詳しくお知りになりたい方は、

来年2月にこのことがストーリーになった漫画が発売されるそうですよ!

私も買って読んでみたいと思っています^ – ^

by Maki F

10月のいけばな 2

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サンゴミズキ

ガーベラ

ドラセナ

写真は鈴木榮子先生が手直しをしてくださったものです

今思えば、和花が好きなせいか、洋花を多く使ういけばなに今まで魅力を感じたことがありませんでした

いけばなをやって見たいと思ったことがなかった理由の一つだったと思います

でも、今は、

東洋も西洋も分け隔てなく愛で、いずれにもある美しさをてらいなく引き立たせるためのいけばなは素晴らしいと思います

他の道の文化との共通性や法則をそこに見出す「出会い」が楽しいです

また、帰宅して、リビングに習ったように活けておくと(これがまた同じものが出来なくて難しいのですが)、夫が喜んでくれたのが、思いもよらずうれしかったです

自分が好きじゃ無いから、と避けていた洋花… 和花に混ざり洋花が溶け合った小さな空間に、「ほっとする」と言ってくれる西洋人

そういえば、慣れ親しんだ国を離れ、異国の地に住んでくれている、骨を埋める覚悟で…

そんな夫に感謝の気持ちが湧き出て来ました

日本文化が好きといっても、やっぱり生まれ育った文化が香ってくるものにもほっとするのだなあ

当然といえば当然です

カンガルーポーの花を前に、屈託のない笑顔を見せる夫に、なにか自分の中の身勝手さを知りました

誰かを癒し、喜ばす小さな空間作り

そこには目に見え辛い効力が秘められているようです

ただ花を活けることに楽しみを置くのではなく、植物や人との間の交流の悦びを知っていた先人のいけばなの心に、触れた気がしました

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聖武祭

毎年10月15日、東大寺では聖武祭が開かれます

その日は大仏様を造顕(ぞうけん)された聖武天皇のみこころを偲び、東大寺では様々な奉納がなされます

表千家お家元がこの日大仏殿(本当にあの大仏さまの目の前で!)で濃茶と薄茶を奉納されるとのことで、お仲間と法要茶会に参加させていただくことになりました

間近で若宗匠の御献茶点前を拝見できたのがとてもありがたかったです

当日沢山の観光客も訪れていて、観光のワンシーンであるこの儀式の様子をカメラに納めて満足されて立ち去られるのですが、私達学生?にとっては通常拝見することはない貴重な儀式、写真はもちろんNGと考えていますし、固唾を飲んで終始見入っておりました

他の参列されている表千家関係の方々(和装なのですぐ分かるのですが)にとっても同じようでした

仏様の御前で、長老の方々の声明(しょうみょう)が響く中、若宗匠がお茶を点てられました

献茶が終了してからの本殿の様子↓

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その後表千家不審庵のご奉仕による拝服席に移り、お濃茶を頂きました

気持ち良い風に包まれながら、屋外での点心席でお弁当をいただき、

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(左側に、見えていないが臨時にテーブルと椅子が並べられている)

先生がご担当の東大寺塔頭真言院にて、お薄茶をいただきました

お茶室ではなく、御堂の幽玄な空間の中

別火坊台子という初めて拝見する大棚に備えられた蝋燭の灯がゆらゆらと揺れながらのお点前

滅多に経験出来ないことで、とても感動しました

お茶道具も東大寺の古材を使ったものであったり、清らかな侘びを感じたひと時でした

境内の鏡池では能舞台が設えてあり、ちょうど観世流による能「三輪」も奉納されると案内をいただき、ありがたくタイミング良く鑑賞させていただきました

池の水と背後の山々が奥行を生み出してとても荘厳な舞台の上で

天の岩戸開きの物語を語り舞う三輪明神の姿がとても清らかで、聖武祭に相応しいと思いました

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古来からこのお祭りでは、理由は分らないのですが、お米とお花は越前より献上されていたそうです

奉納舞が終わったあと、数人の方々が水仙を抱えて立っていらっしゃいました

私たち一般人にも配ってくださいました

とても可憐な「越前水仙」

写真に収めなかったのが残念です

はるばる福井県からお持ちくださったものを分けてくださり…

有難く頂戴して帰りました

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杉浦後援会 秋のつどい

こちらは師匠の後援会。
会員でない方もご覧頂けますが、整理券と3000円が必要です。
でも…会場の岡崎別院さんのお庭やら遺構やらをご自由にご覧頂けます!!
装束付けの解説もあり、楽しい催しです。
こちらもぜひ!
11月1日、岡崎別院さんにて。
ご入り用の方は私、松井までmiki.20030517@gmail.comまでご連絡くださいませ(^-^)
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秋のオススメ能公演

まずはお素人会󾬄
これはお弟子さま方の発表会。ご来聴大歓迎です。

10月24日(土)
伏見集杉会。伏見御香宮神社能舞台にて。
これは私の師匠のお弟子さまの会です!
私は求塚のツレを謡わせて頂きます。
もちろん先生方の仕舞もございますよ!
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そして杉浦同門会。京都観世会館にて。
こちらは杉浦家の、私の先輩方の合同のお弟子さまの発表会です。
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盛り沢山❗
よろしければご高覧ください(^-^)

おすすめイベント♪

京田辺伝統芸能伝承研究会のイベントではありませんが、とてもおすすめなのでご紹介いたします

にっぽん文楽プロジェクト  大阪公演

http://nipponbunraku.com

17日から20日の4日間の公演です

前代未聞の組み立て式移動舞台の見学が13日から始まりました

場所は歴史的に非常に重要な難波宮

昨日松井美樹氏と組立作業の見学に行ってまいりました

建設設計は、田野倉徹也さん
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公演当日は舞台説明もしてくださるそうです

たっぷり見学して、帰宅したら、東北に引越しをしてしまうお友達が急に泊まりにいらして下さり、あっと言う間に一日が終わりました

朝彼女は旅立って行きました

彼女の京都での最後の朝食(は意外にウェスタン〜   時間が無くて、しかも食材がなかったので😭

たいしたものが用意できず…m(_ _)mね)

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玄米コーヒーのソイミルクラテ・京田辺産パプリカ、奥田さんのトマト、淡路赤玉ねぎ、大豆、オリーブオイルのマリネ・京田辺産アスパラ・こだまぱんさんのパン・京田辺産の三種ベリージャム

いけばな

芸術学博士・鈴木榮子先生からのご指導で初めて生けました↓(もちろん先生に手直ししていただき)

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母がいけばなをしていたのを見たときはあまり興味が湧いて来ませんでした

おそらく和花が好きなので、洋花を使う華道に惹かれなかったのかなと思います

実際この時も薔薇とカンガルーポーを使ったいけばなの勉強でした

でも、そこに内在する感性や法則にとても興味があります

他の道の文化や舞に共通する法則性が見出せます

ご先祖様の心を

時空を超えて感じられるひとときです

帰宅して復習を兼ねて花瓶に生けておきました

意外なことに夫にすごく喜ばれました!

西洋人だからなのか、洋花を見てほっと懐かしい気持ちになってようです

誰かの心を和ませるいけばな

これからもコツコツ続けられたらと思います

(ところで、写真中央の薔薇は、私が間違えて短く切ってしまって後の祭り…)

by Maki F

松花堂忌茶会

先生、社中のみなさまと、松花堂忌茶会へ行ってまいりました

雨上がりしっとりとした美しい日でした

とても印象に残ったのは、待合にかけられていたほてい図のお軸でした

長浜花城(ながはまかじょう)筆

岩清水八幡宮の宮大工であった彼は、連歌や画にも秀で、八幡地域の特色を記した「男山考古録」の著者でもあります

こころあるもここあらぬも海やまも

をとせめ風のすがたなりけり

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個人的に見入ってしまった「竹枝穂垣」↓

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by Maki F